私のおウチはHON屋さん

私のおウチはHON屋さん(1) (ガンガンコミックスJOKER)

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これはいい漫画!

今話題になってるノットエロ漫画バットエロ本屋漫画。

昨今のような萌え絵が氾濫している現代において、ただ絵がかわいいだけじゃなくて、そこに話題性や新しい何かを付随したものが売れるんだなということを示してくれるお手本のような萌え漫画。

これは超要約して言うと小学生がエロ漫画を売るという漫画なのですが、多分都条例的には真っ先に規制に引っかかるような漫画だと思いますし、漫画の倫理としてもこれはどうなの?みたいな、結構ギリギリな一線で書き続けていかなくてはいけない代物だと思います。

絵柄を見ればわかるように、リアルなエロ本屋の現状を伝えていくといったようなドキュメンタリー色が強い現場事情に即した漫画ではなく、このおもしろい設定を活かしたギャグ漫画でそういった環境の中で暮らす主人公達のかわいさを愛でるタイプの作品ということになります。

また世間一般的にはエロ漫画っていうとあまりいいイメージを持ちませんが、それを活かした良い話やこういうの好きな人たちは本当はいい人達ばかりなんだよというお話もあり、エロ漫画に対する差別や偏見といったものを無くそうというメッセージを作中で伝えてる印象も受けます。でもそうだよね。エロなんて人間の持つ最大の欲求だしそれを包み隠さず表現する場も必要ですよね。

なんとなく思い出したのがちょっと前に「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のアニメが放映された時に「中学生がエロゲを買ったりやったりしているのはどうなのよ!?」という議論が起きましたが、多分この漫画もちょっと似たような描写があったり、そもそも小学生の女の子がお父さんのお手伝いであったとしてもエロ本屋で働いているという設定だけでも、どうしてもこれと被ってしまい、世間の評価も賛否両論でかなりきついんじゃないかなー?と。

でも個人的にはこれは擁護したいというか、多分こういう作品を取り扱う上で作者さんへの風当たりも強いと思いますが、それでもこの革新的なテーマで突っ走っていくという作者さんを応援したいという気持ちのほうが強いです。

漫画のような文化は自由な表現をしても守られる文化であって欲しい。

そしてできることなら消費される文化であって欲しい。

名作と呼ばれるような後世に語り継がれていくような作品よりも、その場限り的な一瞬の輝きでいいから、綺麗に咲いて枯れていくといったような、お手軽で一瞬の輝きを魅せてくれるような文化が漫画だと思うのです。

以上最後は漫画の感想というよりも自分なりの漫画論でした。